教育
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オムニバスセミナー 2020(R2)

開催日

2020/6/5(金) → 開催延期(日程が決まり次第、改めてお知らせします)

時間帯 16:10-17:40
講師 水藤 寛 (東北大学 材料科学高等研究所 (WPI-AIMR) 副所長/教授)
講演題目

臨床医学と数学・物理学の関わり

要旨

血液の流れや脳脊髄液の流れなど、体内の様々な流れは生体の活動に重要な役割を果たしています。特に心血管系の病気の場合は、血液の流れの構造や血管壁に及ぼす応力の分布を知ることは、予後予測に重要な役割を果たします。また近年では手術前の検討の一環としていくつかの術後形状を想定した比較シミュレーションなども行われ、治療・手術方針の決定に関わるようになってきています。この講演では、そこに現れる様々数学的ツールを紹介し、数学と物理学がそこにどのように関わっているのかを述べたいと思います。
まず、外からは見えない体内の構造を知るために、CTやMRIなどの機器が用いられます。それらは、いろいろな方向から放射線をあてた画像や、波数空間で測定されたデータの集合体ですから、それらを用いて検討対象とする臓器の三次元の形状を再構成するには、様々な数理的ツールが必要です。次にそれを用いて血流などのシミュレーションをするには、基礎方程式の解の存在などの性質から離散化を経てプログラミングなどの計算機科学、線形代数の言葉で表現される数百万次元の大規模連立一次方程式の高速解法など、様々な数学が必要となります。また、数字の羅列である計算結果を理解するためには、コンピュータグラフィックスの技術も欠かせません。
臨床医学と数学・物理学がどのようにコラボしているか、それによって何が生み出されつつあるのか、の一端をご紹介したいと思います。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2020/4/24(金) → 開催延期(日程が決まり次第、改めてお知らせします)

時間帯 16:10-17:40
講師 須田 利美(東北大学・電子光理学研究センター教授)
講演題目

陽子のサイズがおかしい?

要旨

 水素原子の原子核である陽子の大きさをめぐる謎についてお話します。
 水素や陽子は、その発見以来現在に至るまで現代物理学の重要な研究対象です。水素原子の分光研究から「量子力学」が発見され、また「量子電磁気学」確立の際には水素原子は実験室としての役割を果たしました。1950年代に陽子が大きさを持つことが発見されると、その内部構造研究からクォークが発見され「量子色力学」が確立しました。そして現在でも、最先端の高エネルギー加速器施設では陽子内部構造の詳細な研究が進行中です。
 このように長年現代物理学の主要な研究対象であった陽子の大きさ(電荷半径)がおかしいと指摘する論文が2010年に発表されました。従来の電子を利用した陽子半径値とミュー粒子で測定された値が深刻な不一致を示すというのです。大きさは最も基本的な物理量であるためこの指摘は大きな驚きで迎えられ、「陽子大きさの謎」と呼ばれる事態になりました。更にこの問題は、素粒子物理学や原子核物理そして原子物理学という広い研究分野に大きな影響を与える可能性があるため、世界中の研究者がその原因究明そして真の陽子の半径決定に取り組んでいますがいまだに解決していません。
 講義では、「陽子サイズ問題」の現状やその意味すること、そして東北大での研究を含めた世界の研究状況をお話しいたします。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ

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