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高次元医用画像解析 ― 科学者、研究者の近道 ―

フロンティア医工学センター

CTやMRIの解析技術で、高精度で低侵襲な診断・治療を実現する

羽石 秀昭

羽石 秀昭

千葉大学大学院
フロンティア医工学センターセンター長・教授

1985年電気通信大学卒。1990年東京工業大学大学院博士課程修了。工学博士。1990年から千葉大学に助手として着任し、2007年教授、2017年よりフロンティア医工学センター長。日本医用画像工学会副会長、第35回日本医用画像工学会大会長(2016年)。

医療を変える「高次元画像解析」

体内の様子を調べるためには、X 線を利用するCT、磁気を使うMRI、超音波を使うエコー診断など、さまざまな診断装置(モダリティ)が使われています。これらさまざまなモダリティの組み合わせや各種画像の高次元解析によって、医療に役立てる研究を行っています。
高次元画像解析の例として、動きや流れの可視化や分析があります。例えば臓器にくまなくめぐらされた血管を画像化する技術がそれです。右の画像はX 線透視撮影装置によって肝臓内の血管を可視化したものです。左端や中央の画像では骨や呼吸などの影響で血管が明瞭ではありませんが、本プロジェクトでは、動きがあっても影響を受けない方法を開発し、右端の画像のようにくっきりした血管像が得られるようになりました。他にも肺の動きを解析する4次元MRI 技術を開発し、病院で試用しています。
医工学の研究分野は、既存の医療機器の改良など堅実な研究開発の積み重ねで医療に貢献できる一方で、CT やMRI など、まったく新しい技術の発明によって、ドラマチックな医療技術の進歩にも寄与できる面も持ち合わせています。
CT、MRI の発明者はノーベル賞を受賞しています。ノーベル賞級の研究者を目指すもよし、堅実な技術者として高度医療に発展に尽くすもよし。先進科学プログラムは、そういった研究分野にいち早く取り組むチャンスでもあります。これによって高精度な診断や治療が可能になります。

①肝臓の血管のMRI元画像
②造影像と透視像を差分することで血管像を生成したDSA 画像
③マルチモーダルによる解析画像

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