本セミナーは終了しました

超分子化学に魅せられて
〜小さな発見を大きな発見にできることが研究の醍醐味〜

開催日 2024/5/17(金)
時間帯 16:10-17:40
講師

矢貝 史樹 氏 (千葉大学 国際高等研究基幹/大学院工学研究院 教授)

講演題目 超分子化学に魅せられて
〜小さな発見を大きな発見にできることが研究の醍醐味〜
要旨 「超分子化学」と呼ばれる、分子が集まることで分子を超えた分子が作られる仕組みを学ぶことができる学問分野があります。超分子化学の概念が生まれてから30年以上経ちましたが、この概念は今では生命科学から材料化学まで広範な研究分野の基盤となる学問となっています。超分子化学の研究分野で、生体がさまざまな分子を組み合わせて成し遂げている生体機能を人工分子を用いてフラスコの中で再現する生体模倣と呼ばれる研究や、分子が自発的に集合してあらゆる材料を造る際に駆動力となる分子と分子の相互作用を理解する研究、そしてそれらの相互作用を制御して新しい材料を造る研究といった、多様な研究スタイルがあります。私の研究室では、何万という分子を集めて世界で誰も作ったことがないような複雑な微小構造を作り、その性質を調べるという独自の研究を行なっています。例えば、数万分子が集まって、オリンピックのシンボルマークのような五輪構造を作ることができました。この研究のきっかけはちょっとした思わぬ発見が発端でした。そういった小さな発見を深く掘り下げることで、時には全く新しい概念や技術を含んだ大きな発見を導くことができ、この時に味わうことができる達成感が基礎研究の醍醐味です。研究していると困難な場面に直面することも多々ありますが、この達成感を一回味わうと、また味わいたくなり、そしていつの間にか研究者の道を歩むようになっていた、という研究者は多いと思います。そんな一例として本講義を聞いていただければと思います。
会場 物理会議室(理学部2号館3階)
記録

講義ビデオ