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千葉大学、日本情報オリンピックを活用した飛び入学を開始
2020年春入学生から。高度IT人材育成を目指し、1年次から専門教育を~

2018年(平成30年)7月2日
国立大学法人千葉大学

国立大学法人千葉大学では、17歳から大学で学べる「飛び入学」のプログラムの入試方式を拡充し、2020年春から工学部総合工学科情報工学コースにおいて、日本情報オリンピック(特定非営利活動法人 情報オリンピック日本委員会主催)の予選の成績及び課題論述と2次面接による飛び入学生の受け入れを開始します。我が国におけるIT人材不足という喫緊の課題に対し、ビッグデータ処理、人工知能などの最先端技術を身につけた高度IT人材育成を目指し、プログラミングが得意な飛び入学生に対して、1年次から情報科学の専門教育を行います。

千葉大学では1998年に現在の学制で日本初の飛び入学生を受け入れて以来、日本で唯一飛び入学専門の推進センターも設置して、これまでに71名の卒業生を輩出しており、現在飛び入学を実施している7大学(※)の中でも卓抜した実績を積み重ねて来ました。
※千葉大学・名城大学・エリザベト音楽大学・会津大学・日本体育大学・東京藝術大学・京都大学

 

日本情報オリンピックを活用した飛び入学の概要

【入試】~プログラミングが得意な高校生を求めて

この度新たに導入される飛び入学の入試は、情報工学の基礎から幅広い応用まで強い興味をもつプログラミングが得意な高校2年生を対象としています。まず、日本情報オリンピックの予選に参加してもらいます。その後、2019年12月に数理情報科学の問題解決能力を測る課題論述及び2次面接を行い、プログラミングの実技能力を見るために提出していただく日本情報オリンピック予選の成績及び課題論述・2次面接の成績を合わせて総合的に評価します。

【教育】~“プログラミングが得意!”の気持ちをさらに強く

総合工学科情報工学コースでは、飛び入学生向けに、プログラミングが得意!という才能を大事にし、関連分野の研究者を目指せるよう、1年次(17歳)から最新の研究に触れる教育を行います。通常、学生が研究室へ配属され、最新研究をおこなうのは4年次(21歳以上)からですが、飛び入学生は1,2年次にプログラミングの基礎である情報数理についての少人数教育、課題演習(PBL)を通して情報科学の奥行きを経験します。3年次には幾つかの研究室を回り、情報科学やその実社会への応用、関連分野との関係、基礎分野の広がりを経験します。そして、4年次には研究室を1つ選び、担当教員や大学院生の指導を仰ぎ、議論しながら最新の研究をおこないます。
また、通常の学科講義とは別に、飛び入学生を対象とした少人数セミナー形式の授業や海外研修等があり、優れた能力・資質を早いうちから育成する環境を用意しています。

”プログラミング演習”
プログラミング演習
実験の様子
実験の様子

入試における科学技術コンテスト等の活用(参考情報)

千葉大学の飛び入学制度では、募集分野と関連する科学技術コンテスト等での実績を高く評価します。成績に応じて課題論述試験を免除する学科・コースもあります。

課題論述試験を免除する学科・コース及び対象者 (※方式Ⅰ~IIIの概要は参考資料参照)
理学部 物理学科 全国物理コンテスト物理チャレンジの第1チャレンジ合格者(方式I)
国際物理オリンピックの日本代表選手候補者の選抜されたことのある者(方式III)
工学部 総合工学科
物質科学コース
全国物理コンテスト物理チャレンジの第1チャレンジ合格者(方式Ⅰ)
化学グランプリの一次選考を通過した者(方式Ⅰ)
ISEF(国際学生科学技術フェア)に個人研究で日本代表として派遣された者(方式III)
国際物理オリンピックまたは国際化学オリンピックの日本代表選手候補者に選抜されたことのある者(方式III)

 

参考資料

千葉大学 先進科学プログラムについて

https://www.cfs.chiba-u.jp/

1. 概要

千葉大学の飛び入学制度(=先進科学プログラム)は、高校2年修了後、通常より1年早く大学に入学して「若い才能」の発掘と科学者育成を促進する制度です。1998年にスタートしたこのプログラムは、これまで多くの研究者・高度専門職業人を輩出してきました。現在募集しているのは「物理学」「化学」「生物学」「工学」「植物生命科学」「人間科学」関連の6分野、言い換えると、理学部・工学部・園芸学部・文学部の4学部14クラスで実施しています。入学時期は4月と9月があり、1998年~2018年3月までの志願者は375名、合格者は90名。卒業生は71名で、そのうち61名(85.9%)が千葉大学をはじめ東京大学、京都大学などの大学院に進学しているほか、MITやラトガース大学など海外の有名大学院で学び、教員や研究者、または実業家として独り立ちするケースも増えています。

2. 主な特徴
少人数体制による独自カリキュラム

入学した学生は選んだ分野に対応する学部・学科に所属し、学部課程1年次から国際的な研究を進める第一線の教員とマンツーマンに近い環境で指導を受けられます。

海外語学研修・海外留学

1年次または2年次の夏休みに、英語学習を目的とした約1ヶ月の海外研修を実施し、3年次以上には研究目的の海外短期留学を支援するなど、大学の費用負担による研修制度を設けています。

早期卒業制度

学部の早期卒業や大学院へ飛び級する制度があり、最短23歳での博士号取得も可能です。

経済的サポート

入学料は免除。選考により、授業料の全額または半額が免除される制度や、特別な奨学金制度もあります。


少人数体制の授業の様子
3. センター試験不要の入試
春飛び入学 方式I: 「考える力」を問う計7時間半に及ぶ課題論述と提出書類+2次面接
方式II: 千葉大学「個別学力検査(前期日程)」と提出書類+2次面接
秋飛び入学 方式III: 自己推薦書等の提出書類並びに課題論述+2次面接

 

千葉大学 工学部総合工学科情報工学コースについて

http://www.tj.chiba-u.jp/ie/

1. 概要

私たちの生活の様々な場面において、「情報」は電気やガス、水道と同じように社会基盤として必要不可欠なものになりました。自動運転や音声翻訳などの身近なことから、子供や高齢者を見守るスマートセンシングシステムまで、情報が豊かで快適な社会を支える基盤になっています。一方で、貴重な情報を盗まれないよう頑強なセキュリティシステムを構築することも重要です。このような快適で安心な社会を支えるために、情報工学コースの教育課程は「情報数理」「計算機・ネットワーク工学」「ソフトウェア工学」「知的情報科学」「マルチメディア情報処理」の5本の柱および情報・数学・物理の基礎科目から構成され、情報にかかわる数理、コンピュータのハードウェア・ソフトウェア、セキュリティ、ネットワークからマルチメディア情報処理までの幅広い領域を体系的に教育します。

2. カリキュラム(主な専門科目)
1年次 プログラミング入門
2年次 情報数学I, II、応用数学、確率と統計、回路理論I, II、プログラムの設計と実現I, II、計算機工学I, II、計算科学I, II、情報倫理、電磁波と光、情報工学実験I、プログラム演習I, II
3年次 情報数学III, IV、情報解析I, II、多変量解析、情報理論、計算科学III, IV, V、符号理論、コンピュータネットワーク、計算機工学III, IV、マルチメディア工学I, II、制御理論、パターン認識基礎、分散情報処理、情報工学基礎英語、リモートセンシング工学、情報知的所有権セミナー、情報技術と社会、情報と職業、情報工学実験II, III、プログラム演習III, IV
4年次 情報解析III、マルチメディア工学III、コンピュータグラフィックス、ヒューマンインタフェース、工業システム概論、卒業研究

 

【取材のお申し込み・本件についてのお問い合わせ】

千葉大学先進科学センター
TEL: 043-290-3521 E-mail: cfs-info (at) chiba-u.jp

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