キラリティー物質科学

分子キラリティー研究センター【物質科学】

レーザー光の「キラルな光」で金属や有機薄膜の表面をキラルな構造に変える




右手系? 左手系? 物質や光の性質を変える「キラリティー」


尾松 孝茂

千葉大学大学院工学研究院 教授
分子キラリティー研究センター センター長


1983年、東京大学 工学部 物理工学科卒。オリンパスで研究開発に携わった後、1992年 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修了。博士(工学)。1992年から千葉大学画像工学科助手となり、2006年融合科学研究科教授。

◎世界を驚かせた千葉大学の発見

右手と左手は同じ形をしていますが、お椀を重ねるようには重ねることはできません。このように構成要素が同じなのに立体構造がその鏡像と空間的に重ならない性質のことを「キラリティー」と言います。キラリティーのある物質は、同じ化学式でも右手系と左手系で性質が異なり、一方だけに薬として効果があったり、一方だけが電子部品の材料としての性能が良かったりします。一般的に物質を合成した場合、右手系と左手系が同数生成されますので、キラリティーを創薬などに利用する場合、「左右」の使い分け・創り分けは重要な技術になってきます。

千葉大学分子キラリティー研究センターでは、「光のキラリティー」に注目し、物質にレーザー光を当てることで、物質を螺旋構造に変形させることができることを発見しました。キラリティーのない物質をキラリティーのある物質に変形させることができるのです。この現象は物理的な力学現象なのでどのような物質にも適用できます。原理的には右手系(あるいは左手系)の物質だけを100%創り分けることも不可能ではなくなったのです。

千葉大学に設置した「分子キラリティー研究センター」では、理学・工学・薬学・医学の教員が学部を超えて一丸となり、世界の頂点を目指して新時代の「キラリティー」の研究教育に挑戦しています。


(2) キラリティー(Chir alit y)。右手と左手のように同じ形だが、重ね合わせることができない構造を持つ物質

(3) ③「キラルな光」を当てることで、金属や有機薄膜の表面をキラルな構造に変える実験の顕微鏡写真

関連リンク

- 千葉大学 分子キラリティー研究センター