オムニバスセミナー 平成28年度版

 

 

開催日 2017/1/20(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 岡安 悟 (国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 先端基礎研究センター 研究主幹)
講演題目

メガグラビトロニクスと物質制御

要旨

白色矮星の表面重力を超える100万Gという遠心加速度場は、固体を構成する原子一つ一つに大きな加速度が加わる極限環境のひとつです。 ここでは固体中においても原子自身が沈降する現象がみられ、質量差の小さな同位体でも分離が起こります。この極限環境を利用して物質制御を行い、新しい物性発現を目指す技術を、我々の研究グループでは「メガグラビトロニクス」と呼んでいます。 本セミナーでは「メガグラビトロニクス」を用いた物質制御の試みと、どのような現象が見られ、どのような分野への応用が考えられるかをお話ししたいと思い ます。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)

 

開催日 2016/12/9(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 三浦 麻子 (関西学院大学 文学部 教授)
講演題目

日常生活のデータサイエンス:社会心理学の魅力

要旨 社会心理学は「人間は社会的動物である」をコアコンセプトに,人間心理(とその表象としての行動)は,個人属性(性別など)や個人特性(性格など)だけで決まるのではなく,あるいはそれよりもむしろ,状況(他者や周囲の事物,文化など)の影響によって決まる部分が大きい,という視座に立つ学問である.社会心理学者は,このアイディアを検証するために,日常生活に根ざした現場での観察,実験,調査等によってデータを収集し,それらを統計的に分析することによって,認知モデルや社会現象などに関する抽象的知識や法則性を見つけ出そうと試みている.本セミナーでは,古典的な2つの実験研究と,講演者による最近の研究成果を紹介することで,こうした社会心理学の魅力について伝えたい.
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ

 

開催日 2016/11/11(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 高橋 大輔 (千葉大学 理学研究科 特任助教)
講演題目

昆虫の生体防御システムを分子の視点から考える

要旨 昆虫は、多様な生存環境に適応しながら進化し、地球上に約200万から3000万種存在するといわれています(私たち哺乳類はわずか約5千種)。種数からみれば、自然界で最も繁栄しているこの昆虫類は、驚くべきことに、私たちがもつ抗体にもとづく免疫(獲得免疫)をもたずに,自然免疫というシステムのみによって、さまざまな病原菌から生体を防御しています。本セミナーでは、 “昆虫の生体防御システムを分子の視点から考える”というテーマのもと、昆虫の自然免疫を研究することの重要性・面白さを紹介し、 “昆虫の体内で自然免疫はどのように活性化されるか?”という私自身の研究について、お話しします。またアメリカ、カンザス州での博士研究員生活についても紹介できればと考えています。
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ

 

開催日 2016/10/7(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 田中 望 (Indiana University Bloomington 助教)
講演題目 タガログ語関係節の習得から学ぶ言語の仕組み/アメリカでの研究生活
要旨 言語は私たちにとってあまりにも身近な存在で普段あまり意識することはないかもしれません。しかし、言語は人類にとって文化的遺産であると同時に、 種としての人間を定義するものでもあります。そのような言語を科学的手法を用いて研究するのが言語学です。言語学で最も重要な問いのひとつに、人類普遍の言語機能は存在するのか、という問題があります。本セミナーでは、言語学とはどのような学問かを紹介するとともに、 フィリピンで話されているタガログ語という先行研究が少ない言語での実験結果を例に、子供の言語習得の観点から言語の普遍性について考えます。後半はアメリカでの学生生活・研究生活についても少しお話します。
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ

 

開催日 2016/7/15(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 市橋 保之 (国立研究開発法人 情報通信研究機構  電磁波研究所 )
講演題目 立体映像技術の研究と科学技術イノベーションの推進
要旨 情報通信研究機構は2015年より国立研究開発法人となり、情報通信分野を専門とする唯一の公的研究機関として、情報通信技術(ICT)の研究開発等を実施しております。その取組の1つユニバーサルコミュニケーション分野において、ホログラフィ方式を用いた立体映像技術の研究を行っております。実写などの立体映像を如何に表示・伝送するか、最先端の技術について紹介します。また政府の重要政策に関する事務を補助する内閣府のもと、2014年に総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が設置されました。CSTIでは国の科学技術の基本的な方針や年度毎の戦略などを策定しており、科学技術は国によってどのように推進されているのかご紹介させて頂きます。
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)

 

開催日 2016/6/17(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 澤 幸祐 (専修大学 教授)
講演題目 知性を分解する~条件づけ研究からみた知性の部品
要旨 ロシアの生理学者であるパブロフが古典的条件づけを発見して、すでに100年以上が経過した。多くの人々は、「パブロフのイヌ」という言葉を聞いたことがあるだろう。「音を聞いただけで唾液を出す」という条件反射は、考えなしに行動することの代名詞のようになり、いわゆる知性とは縁遠いものと思われるかもしれない。しかし、100年の時を経て古典的条件づけ研究は単なる反射の枠を超え、時空間情報の学習や確率、因果の学習などへと発展した。その知見は我々の日常生活のなかにも入り込み、最近では人工知能研究などにも関わっている。今回のセミナーでは、古典的条件づけ研究から「知性とは何か」という大きな問題にどのようなアプローチが可能なのかを紹介したい。
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ

 

開催日 2016/5/6(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 本川 達雄 (東京工業大学 名誉教授)
講演題目 ゾウの時間・ネズミの時間・私の時間
要旨 ネズミの心臓は早く、ゾウではゆっくりと打つ。ネズミは短期間で成熟して子を生み、寿命は短い。ゾウはすべてにおいて時間がかかる。ネズミの時間は早く、ゾウの時間はゆっくりと進むのである。動物により、時間とは変わるものなのだ。体重当たりのエネルギー消費率を比べると、ネズミの方が格段に大きい。じつはエネルギー消費率と動物の時間の進む速さは比例する。それは何を意味するのか、生きるとはどういうことなのかを考えてみたい。また、以上のことを、動物としてのヒトの時間や、文明人としての私たちの日々の時間に当てはめ、このコンピュータ時代や長寿社会のはらんでいる問題についても批判的な目で眺めてみたい。
会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
記録 講義ビデオ


開催日 2016/4/22(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 長嶋 賢  (公益財団法人鉄道総合技術研究所 浮上式鉄道技術研究部 研究部長 )
講演題目 物理学者が考案した超電導リニア~その物理と開発の軌跡~
要旨 リニアモーターカーは1962年に当時の日本国有鉄道の鉄道技術研究所(現在の公益財団法人鉄道総合技術研究所)で研究がはじまりました。東京~大阪間(500km)を1時間で結ぼうというのが開発の動機でした。その後、様々な経緯があって現在の「超電導リニア」システムが開発されたわけですが、草創期からの開発経緯、なぜ超電導技術が必要だったのか、どのような原理で動くのか、といったことから「超電導リニア」に関係する技術は今後どのような分野に使えるのかといったことまでご紹介したいと思います。
会場 物理会議室(理学部2号館3階308号室)


開催日 2016/4/15(金)
時間帯 16:10-17:40
講師 高橋 幸弘 (北海道大学 教授)
講演題目 超小型衛星が拓く次世代の宇宙開発とデータ利用
要旨 いま宇宙開発始まって以来の大きな変革が起きつつあります。従来の衛星の多くは、重量数100kgから数トン、開発製作費用は数100億円、プロジェクトの検討から打ち上げまでは10年以上を要します。今回紹介するのは、重量約50kg以下の超小型衛星です。費用は5億円以下、開発期間は1-2年です。この関係はいわばスーパーコンピューターとパソコンに似ています。これまでは、パソコンで行う家計簿の管理を、スパコンにやらせていたようなものです。それぞれの大きさに応じた役割分担をすることで、スパコンにとってもその資源の有効利用に繋がります。しかしながら、超小型衛星の機能の一部は大型衛星を凌ぐものになり、またその低価格から、これまで想像もできなかった超多点地球観測や、開発途上国の宇宙利用に計り知れない貢献をしていくと予想されます。本セミナーでは、データ利用本位の超小型衛星の開発と活用について考えます。
会場 物理会議室(理学部2号館3階308号室)

 

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