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「君も物理チャレンジを!2023」講座 実施報告書

令和5年6月12日
君も物理チャレンジを!2023講師一同

今年度の「君も物理チャレンジを!2023」講座は、千葉市科学館(令和5年4月29日、4月30日)と千葉大学理学部(5月4日、5月7日)で実験室・講義室の換気や過密を避ける対策を行いつつ対面形式で実施しました。今回はGW期間中に集中して実施したため、関東圏の受講者だけでなく、遠方からの参加もありました。受講生からは、気軽に質問ができる雰囲気が良かった、物理が好きで勉強している仲間がいることが実感できた、などの声が聞かれ、対面ならではの良い体験となったようです。実験講座では、2~3人の班ごとに実験装置を組み立てて、熱心に測定を行い、レポートを作成し提出してもらい、講師によるコメント等により指導しました。また、理論問題の講座では、受講生の学年や勉強の進度の違いに配慮して、習熟度別のクラス分けや、関連項目を解説するミニ講義の時間を設けて実施しました。単なる答え合わせでは無く、基礎となる知識や考え方の習得を目指して実施しました。今回の講座の概要と参加状況は下記の通りです。

講座の概要

目的

千葉県および近郊の高校生等で、物理チャレンジに応募し、さらには物理オリンピックへの参加を目指す意欲ある生徒の科学の能力を育成すること。

開催

千葉大学先進科学センター(主催)、千葉市科学館、物理オリンピック日本委員会、千葉大学理学部物理学科(共催)

日時

令和5年4月29日(土・祝)、4月30日(日)、5月4日(木・祝)、5月7日(日) 計4日間
各日とも 10:00開始、途中で小休憩や昼食休憩(1時間程度)をはさみ、16:30頃に解散。

内容

(1)物理チャレンジ第1チャレンジの過去問題を使った演習とその解説(力学、電磁気、熱・波動、現代物理に分類された4種類の問題)
(2)過去の第2チャレンジで用いられた実験セットによる実験問題の企画・実施、およびレポートのまとめ方等についての指導「膜の屈折率と厚さの測定」

講師

井上 厚行(千葉大学名誉教授、千葉市科学館長)
近藤 泰洋(元東北大学教授、物理オリンピック日本委員会プレチャレンジ部会委員)
末元 徹(東京大学名誉教授、物理オリンピック日本委員会プレチャレンジ部会委員)
中山 隆史、松元 亮治(千葉大学名誉教授)
大栗 真宗、音 賢一(千葉大学教授)
花輪 知幸、秋本 行治(千葉大学特任教授)
橋本 稔克(千葉大学特任准教授)

運営事務

千葉大学高大連携支援室、千葉大学先進科学センター、千葉市科学館

受講料

無料

受講生

24名(高校3年生4名、高校2年生10名、高校1年生7名、中学3年生3名)
(出身校所在地:東京都9名、千葉県3名、神奈川県3名、埼玉県2名、茨城県2名、沖縄県2名、栃木県1名、山梨県1名、京都府1名)

講座の実施状況

4月29日

第1回 参加者23名
千葉市科学館7階実験室で井上 厚行千葉市科学館館長、音 賢一千葉大学教授(高大連携支援室長)らによる開講式に続いて、物理チャレンジに関する全体説明が行われた。その後、初日は実験課題に取り組むべく、概要説明を受けて「膜の屈折率と厚さの測定」に取り組んだ。参加者の多くは、光学に関する実験は初めての経験であり、使用機材の理解や光の性質を物理の教科書を用いて確認しながらの手探りの状態での実験開始となった。JPhOの近藤先生、末元先生をはじめ、指導に当たった講師より様々な指摘やヒントを受けつつ受講者自らが工夫して熱心に実験を進めていた。午後の後半には、実験レポートにまとめる作業も行い、その場で様々なコメントをもらいつつ仕上げて提出した。

4月30日

第2回 参加者20名
前日に引き続き、千葉市科学館7階実験室で実施した。良い科学レポートにするために必要な注意点などをまとめた説明が行われた。続いて、力学に関する物理チャレンジの過去問題の解説を行った。力学は参加者の勉強の進度により理解度の差が大きいため、参加者自身に基礎コースと応用コースのいずれかを選択してもらい、2つに分けて講習を実施し、学習効果が上がるように配慮した。

5月4日

第3回 参加者21名
第3回以降は千葉大学理学部で実施した。午前中は電気回路や静電気に関する過去問題の解説を行った。昼休憩の後、午後には電流と磁場に関する問題を扱った。受講生の多くは、電磁気学分野は高校で学習していない時期であるため、各回とも問題の理解に必要な部分を中心に高校物理の教科書を用いてミニ講義を行いながら過去問題の解説に努めた。また、昼食休憩の時間には、理学部物理学科の実験系研究室の見学を行い、物理研究の最前線を見てもらった。

5月7日

参加者19名
千葉大学理学部で実施した。今回も基礎コースと応用コースの2クラスに分けて講習を実施した。午前中は熱力学についての過去問題の解説を行った。午後は波動と現代物理学に関する過去問題の解説を行った。今回の分野も受講生の多くは高校で学習していない時期のため、高校物理の教科書を用いた講義・解説を交えて講習を実施した。昼食休憩の時間中には、理学部2号館のサイエンスプロムナード(科学展示館)を訪れ、乱流屏風をはじめとする面白い展示を千葉大学理学部の学生説明員による案内と解説で見学し、受講生からは活発な質問がされていた。
講義の終了後、閉講式を行い合計4回の講習会を無事終了した。

講座の実施風景

4/29 千葉市科学館での実験指導14/29 千葉市科学館での実験指導1
4/29 千葉市科学館での実験指導24/29 千葉市科学館での実験指導2
4/30 理論問題(力学・基礎)講義
4/30 理論問題(力学・基礎)講義
4/30 理論問題(力学・発展)解説
4/30 理論問題(力学・発展)解説
5/4 理論問題解説の事前講義(電磁気学)5/4 理論問題解説の事前講義(電磁気学)
5/4 理論問題解説5/4 理論問題解説
5/7 理論問題(熱力学・基礎)講義5/7 理論問題(熱力学・基礎)講義
5/7 理論問題(現代物理・発展)解説5/7 理論問題(現代物理・発展)解説
5/7 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学5/7 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学
5/7 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学5/7 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学
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