教育
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オムニバスセミナー 2014(H26)

開催日

2015/2/17(火)

時間帯 14:30-16:00
講師 Dr. Nan Zhang / Simon Fraser University
講演題目

Postgraduate studying in overseas universities

要旨

For the undergraduate and master students who are deciding to continue studying in the graduate school, one of the options is to choose universities in North America or Europe. For PHD candidates upon finishing, post-doctoral career abroad is also a good choice of experience. With the opportunity of seeing a different world, learning from the best academics and making friends from all over the world, there are also challenges through the whole process from the beginning of application till the end of the study, due to the differences in western-eastern education, language and culture.
In this talk, the US-UK educational system will be introduced to the Japanese students. Because of the presenter’s own experience, British universities especially the collegiate systems in Oxford and Cambridge will be described in detail. The application process and the difficulties will be explained, with certain advises given. The presenter will share her postgraduate life in Oxford from scientific research to daily-life. Graduate and undergraduate students are both welcome if you are interested in applying for oversea universities in the future.

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2015/1/16(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 後藤 薫 (山形大学医学部) 教授
講演題目

一酵素ファミリーから見た生命現象

要旨

分子生物学の進歩により、地球上の生物は共通の生命原理に基づいて設計されていることが明らかになってきました。つまり生命の設計図といわれるDNAは、バクテリアからヒトまで共通の暗号を使っている、というのです。ヒトがサルから進化した、どころではないスケールの大きい話ですね。ヒトのDNAは、大腸菌に含まれるDNAの約1000倍に増加したことが明らかになっています。では進化の過程で、どのようにして細胞1個あたりのDNAが増えてきたのでしょうか。その答えは、一言で言えば「コピー」、つまり1セットしか持ち合わせていなかった設計図が2セット、次にその倍の4セットというように増えていったのです。さらによく調べてみると、最初は同じであった4枚の設計図が、進化の過程で少しずつ書き換えられていったようなのです。
ここで、生命現象の化学反応を司る「酵素」について考えてみましよう。ゲノムの倍加によって酵素も、2つ、そして4つ…というように増加してきたと考えられますが、同じ働きをする酵素がそんなに必要なのでしょうか。このセミナーでは、私たちの研究室で解析を行っている、細胞内の情報伝達系を管理する酵素ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)を例に取り、この酵素ファミリーの「分子多様性」の実例と、機能分化解析に至る研究過程についてお話したいと考えています。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/12/19(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 清河 幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科) 准教授
講演題目

潜在学習における注意の役割と文化差

要旨

私たちは日々,様々な情報に接しています。このうち,意識的に取り込まれる情報もあれば,意図しないにもかかわらず獲得される情報もあります。本発表では,環境中に存在する規則や構造に関する情報が知らず知らずに抽出される潜在学習という現象を紹介し,私たち人間がいかにして環境から複雑な情報を 獲得しているかについて皆さんと一緒に考えたいと思います。具体的には,潜在学習において注意が果たす役割を検討した実験と,潜在学習における文化差を検討した一連の実験についてお話します。併せて,研究がどのようにしてスタートし,進展してきたのかについてもお話できればと思います。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/11/7(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 松下 貢 (中央大学) 名誉教授
講演題目

キリンの斑論争と寺田寅彦

要旨

動物園に行くと、キリンの斑模様、ヒョウの斑点、トラやシマウマの縞模様など、体表の鮮やかな模様に事欠かない。魚屋や水族館で見られるシマダイやサバなどの魚の体表模様も同様である。動物たちがなぜそれぞれの種に固有な模様をもつのかは、進化に関わる生物学的な問題であろう。それに対して、あのような模様が個体の成長の過程でどのようにしてできるのかは、物理学や化学に関わるパターン形成の問題である。
今から80年ほど前の1933年に、物理学者の平田森三がキリンの斑模様のでき方について大胆な仮説をたてた。彼はそれが田んぼやぬかるみの泥が乾いたときにできる割れ目模様に酷似していることに気付き、胎児のときの急速な成長で被膜が破れてできた割れ目の名残りが斑模様ではないかと考えたのである。それに対して当時の生物学者たちは感情的なまでに激しく反論し、それに対して平田がさらに反論するという、いわゆる「キリンの斑論争」が起こった。この論争には、平田が斑模様のでき方(プロセス)を問題にしているのに、生物学者が体表の組織(物質)の違いなどを問題にするという、明らかな食い違いがあった。そこで翌1934年に、平田の師にあたる寺田寅彦がこの問題の真の解決には物理学や化学がまだ十分に進歩していないことを指摘し、今後どのような研究をすべきかを議論して両陣営をなだめ、論争を一応収束させたのである。
寺田寅彦は一般には文豪・夏目漱石の弟子で、有名な随筆家として知られている。しかし、彼は金米糖の角や線香花火、雷や雪の結晶、電車やエレベータの混雑など、様々な日常的な現象について実験したり観察したりして研究した物理学者である。そしてそれらについて思索したことを、数々の端正な日本語の随筆に残している。さらに重要なことは、彼が90年近くも前に取り上げて研究していたことが、最近になって複雑系科学として世界的に研究されるようになったことである。本講義では、「キリンの斑論争」の経緯、寺田寅彦の役割と彼の幅広い業績を紹介するとともに、彼の研究の発展とみることができる現代の複雑系科学をわかりやすく説明する。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/10/10(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 針山 孝彦 (浜松医科大学) 教授
講演題目

バイオミメティクス研究を発展させるためのNanoSuit法

要旨

「バイオミメティクス」という研究分野は古くて新しい。巨大エネルギーを使う産業革命以来の社会構造の中で、持続可能性を模索する科学の一分野としてのバイオミメティクス研究の重要性をお話し、生物がもつサブセルラーサイズの秘密を理解する必要性をお伝えできればと思います。また、その研究分野の技術の一つとして確立できた「生きたまま電子顕微鏡内で生物を観察することができるNanoSuit法」の発見に至った驚きの日々の一部を紹介し、真剣で苦しい研究を如何に楽しく進めてきたかをお話します。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/7/18(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 秋鹿 研一 (放送大学)客員教授
講演題目

太陽エネルギーを捉える、電力に変える、蓄える、使う

要旨

生物の存在、活動は太陽エネルギーで支えられている。人類は近代になって化石資源の力で高度な文明を発達させたが、将来再び太陽エネルギーを上手に使うことになる。現代、私たちは科学技術の進歩により、その原理を手に入れている。どのような原理で太陽エネルギーを捉え、電力に変換し、蓄え、使うことができるか?専門に偏りすぎず、素人にも分かりやすく太陽電池、風力発電や水素について対話する。また、現代社会がこれを受け入れる課題は何かを共に考える。身のまわりの科学と社会の関係を語り合いたい。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/6/27(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 阿部 慶賀 (岐阜聖徳学園大学教育学部)准教授
講演題目

創造性をつかむ -脳の外の創造性-

要旨

「ひらめき」はどうして起こるのか?なぜ好きな時に起こせないのか? こうした疑問は古くから議論されていましたが、近年の心理学の成果から、「ひらめき」は特別な才能ではないこと、個人の心の中だけで起きることではなく、他者や環境に助けられて生じることがわかってきました。
今回はそんな環境と私たちの心の間をつなぐ身体に注目して、ひらめきをつかむための意外な要因を紹介していきたいと思います。また、この議論を通じて、研究していくなかでいいアイデアを掴むヒントを お話ししていきたいと思います。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/5/30(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 雀部 博之 (千歳科学技術大学)名誉教授
講演題目

有機エレクトロニクスは半導体を超えられるか

要旨

金属材料・無機材料(半導体を含む)と比べて有機材料の最大の特徴は、分子設計の多様性にあります。エレクトロニクス分野に限っても、有機材料は分子内 の電荷移動の制御(導電性)、分子構造と電子状態の制御(メモリ性)、分子集合状態の制御(回路の形成)など、ナノの世界を操ることができ、将来の極限構 造電子デバイス創製が期待されます。
私の40数年にわたる研究生活から見えてきた分子エレクトロニクスの面白さをお話します。

会場 工学部2号棟103号室
開催日

2014/5/23(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 立松 健一 (国立天文台 チリ観測所)教授
講演題目

国際電波天文プロジェクト「アルマ」

要旨

ガリレオが望遠鏡で宇宙を観察してから約400年。
人類は、その知的好奇心から、より大きな望遠鏡を建設し、新たな宇宙像を手に入れてきました。個人による大型望遠鏡、「すばる」のような「国家望遠鏡」の時代を経て、現在は、国際協力抜きに大型望遠鏡の建設が考えられない時代になってきました。
国際性抜きには語れない現代天文学事情、天文学者の苦しみ、(喜び、)をご紹介します。研究者を目指す皆さんにとって、何かの役に立てればと思っています。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2014/5/2(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 中村 亮一 (千葉大学 フロンティア医工学センター)准教授
講演題目

コンピュータ外科学:先端医療を支える工学技術

要旨

医療の発展は臨床現場における医療技術開発と共に基礎医学研究により進められてきました。医学研究においてはバイオテクノロジーや細胞生物学・分子生物学などいわゆる生物学的分野の発展が大きく注目されてきましたが、臨床技術を支える様々な道具の開発もまた大きな貢献を果たしてきました。古くは医用電子・医用工学と呼ばれた電気電子・機械・情報工学と医学の融合による研究分野です。
この講義ではコンピュータやロボットなどを駆使した医学研究領域「コンピュータ外科学」とその応用,実用化と普及の社会的課題などを紹介します。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)

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