教育
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オムニバスセミナー 2012(H24)

開催日

2013/1/25(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 川本 隆史(東京大学 大学院教育学研究科 教授)
講演題目

社会・正義・ケア ― 「ことば」から「倫理」へ

要旨

東京大学の創立130周年を記念して編まれたガイドブック 『学問の扉――東京大学は挑戦する』(講談社、2007年)所収の拙論「社会・正義・ケア――「ことば」から「倫理」へ」に即しつつ、〈先進科学〉のはるか手前のグラウンドに立って、「ことば」に関するトレーニングを実施する。すなわち、「社会」という翻訳語のルーツとその語義転換の歴史、「社会」の評価基準のひとつである「正義」(普遍的な公平性の実現)ということばの厚みと広がり、目の前の苦しみや困難の緩和を目指す「ケア」(個別的なニーズへの応答)の倫理について、立ち止まって考えてみたい。
客観性や非人称性(没人格性)、集計や法則定立を事とする自然科学とは一味違う、人文学(ヒューマニティーズ)の面白さの一端を提示すること、これが本セミナーのねらいである。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2013/1/11(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 近藤 滋(大阪大学 大学院生命機能研究科 教授)
講演題目

Turing Patternとそれを実現する分子細胞メカニズム

要旨

動物の模様は美しい。しかも数々の不思議さに満ちており、それが人間の好奇心を掻き立てる。何のためにあのような模様があるのだろう?なぜ、あれほどまでにバラエティがあるのか?そもそも、どのような原理で描かれているのか?これらは、小学生でも直感的に感じる疑問だが、最先端の生命科学者にとっても手を出しにくい難問である。たとえ模様形成に関与する遺伝子が特定できたとしても、それが「答え」にはならないことが容易に察せられるからだ。
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会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/12/21(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 白川 知功(独立行政法人理化学研究所 基幹研究所 柚木計算物性物理研究室)
講演題目

蜂の巣構造を持つ物質の多彩な性格

要旨

えんぴつの芯はグラファイト(黒鉛)と粘土を塗り合わせて 焼き固めたものである。このグラファイトというありふれた物質は、炭素原子が平面状に結合したシートが積層した構造をとっている。
さらに、このシートが剥がれて厚さが原子一個分しかない単一層となったものは、“グラフェン”と呼ばれている。グラフェンの結晶構造は丁度平面を六角形で埋め尽くした“蜂の巣構”となっている。一見すると、いかにも単純な幾何学的構造ではあるが、実はこの結晶構造には非常に多彩な性質が秘められており、近年、この“蜂の巣構造”に関連する物理が注目を集めている。そこで、本講演では、この“蜂の巣構造”を持つ物質のバラエティ豊かな 性格についてご紹介したいと思っている。
また、本講演では、これとは別に、これまでの私の経歴を振り返り、ドイツへの留学や現在の研究環境など、 研究生活の体験談もご紹介したいと思っている。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/12/5(水)

時間帯 18:30-20:00
講師 阿部 仁史(カリフォルニア大学ロサンゼルス校建築学科長)
講演題目

仙台ーロスアンゼルス、グローバリズムとローカリズムの狭間から

要旨

SCI-Arc留学を契機にロサンゼルスに足場を築く一方で地元仙台に事務所を構え、最近ではウィーン大学のプロジェクトも抱えるなど多元的に活動するに至る道程を通して、若い学生へ海外に目を向けることの重要性と大事にしてきたことなどのメッセージを届けたい。

会場 千葉大学自然科学系総合研究棟2階マルチメディア講義室
開催日

2012/7/20(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 中村 哲之(千葉大学 先進科学センター 特任助教)
講演題目

動物の知覚-トリの眼から考える-

要旨

我々ヒトは,外界をありのまま見ているわけではなく,ヒトの眼や脳という”フィルター”を通して知覚しています。そのような知覚世界は,環境に適応していく過程で形成されてきたものと考えられます。ヒトの知覚世界は,生態的・進化的な点からとらえたときに,どのような特徴があるのでしょうか。私は,ヒトとは生態的に大きく異なる鳥類(ハト,ニワトリ)の知覚世界をヒトのそれと比較することにより,この問題を検討してきました。本講演では,動物の知覚研究の手法とその成果について,実験の様子を撮影した動画などを用いながら,紹介します。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/6/29(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 Dr. Renate WackerbauerAssociate Professor, University of Alaska Fairbanks, USA)
講演題目

Extinction in complex systems - transient spatiotemporal chaos -

要旨

Complex systems consist of parts that interact with each other in a non-trivial (nonlinear) way, like coupled neurons in the brain or like spatially distributed interacting ecological species. Such systems are often very sensitive to perturbations as obvious in smoke patterns of a cigar or in the fibrillation state of the heart. Some of these complex systems - very counterintuitively - can suddenly go extinct. This is like a smoke pattern suddenly disappearing, or an ecological species suddenly going extinct. If such drastic changes happen to a system, we usually look for an external influence like a strong predator that causes such a collapse. New research shows that complex systems can develop by themselves into a critical state from where they undergo a spontaneous transition to extinction.

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/6/12(火)

時間帯 17:50-19:20
講師 Prof. Thomas Thiisノルウェイ生命科学大学 数理工学科 教授)
講演題目

Study in the arctic

要旨

I will present UNIS at the arctic island Svalbard (www.unis.no) which is a true international place to study. This is where I did the field work for my phd, and were I became “scientifically awaken”. I also met a few Japanese students there.

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/5/18(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 塚越 一仁(独立行政法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者
講演題目

ナノマテリアル/ナノエレクトロニクスの研究に関しての巡り周り

要旨

現在の情報化社会を支えるエレクトロニクスに求められる性能は、多様化と高速化に関して留まることがありません。例えば、情報量は年々増加し、情報処理素子の高度化が更に必要となります。情報を表示するシステムも多様化が求められます。その中で、ナノマテリアルを使ったナノエレクトロニクスの実現を夢見て、単電子ロジック素子、フラーレン素子、カーボンナノチューブ素子、グラフェン素子などの基礎研究を行ってきました。ナノスケールの電気伝導を調べるために、ナノスケールの電極作製技術を開発し、ナノ材料に特異な現象を観測してきました。電子やスピンを制御するための基礎特性を調べてきましたが、様々な情勢(経済変動、大震災など)に影響を受けました。その背景と研究分岐の関連と、最近のナノテク研究の一端を紹介します。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)
開催日

2012/4/27(金)

時間帯 16:10-17:40
講師 張 森(岡山光量子科学研究所 研究員)
講演題目

原子・ゆらぎ・時空の不思議

要旨

「もし今大異変が起きて人類すべての知識が失われ、一つの文書をしか後世に伝えられないとしたら、私は『原子仮説』にすべきだと信じている。つまり、すべての物質は原子からできており、それらが…」  とファインマンが言ったそうです。原子の発見には紆余曲折した経緯がありました。原子論は最終的にペランの実験によって一般的に受け入れられましたが、不可逆性の問題、つまりもともと論争の一つ中心的な問題となった熱力学と古典力学の間の溝が依然として残っていました。
そして時空の研究においてこの問題が再び現れました。ブラックホールの熱力学、アンルー効果やホーキング輻射などのように、アインシュタイン方程式によって記述され、本来熱力学的ではないはずの時空が熱力学と非常に密接な関係を持つことが分かってきました。このことが時空の謎を解く鍵になると期待して、私は研究しています。
原子の発見とともに時空の不思議、そして研究の苦悩や今後研究者としての自分の求めるものなども交えてお話したいと思います。

会場 先進科学センター会議室(理学部2号館2階)

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